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「Secret roomへの扉」  第1話

誰もが持っている心の部屋
これを「secret room」とでも名づけようか。
この「secret room」にはいくつかのカラーの扉があって
嬉しさや喜び、幸せを司るようなパステル調で明るい扉
悲しさ、寂しさ、空しさ、辛さなどのブルーな扉、
欲望にかられる燃えるような赤い扉、
感情と向き合う知性や判断力を促す理性の透明の扉、
又、気の合う者同士だけが開く事の出来るコミュニケーションルームへの
新緑の扉であったり、
同じ秘め事を持つ者だけの怪しい雰囲気のする夕闇のような扉もある。
そして、この扉にはたまにウイルスが進入しようとするので、
ウイルス対策バリアを新しいものにバージョンアップする必要がある。

鉛色の頑丈そうな扉があった。
絵夢子はその扉を強く押し開けた。
そこにはボックスが数個並んでいて、
その1つ1つに鍵が掛かっている。
本人のみが知り得る暗証番号を入力しないと決して開ける事はできない。
一番端のボックスの鍵穴を見ると錆びかけている。
多分そのボックスは、遠い過去の記憶として
思い起こしたく無い程に傷を負った気持がぎっしりと詰まった
ファイルが入っているのかもしれない。
それはまるで封印されたかのように・・・。

しかし、心は閉ざしているつもりでも、
潜在的に引きずってる部分がどこかにあって
重苦しい夢として突然現れる事さえある。
よどんだ灰色の空に生ぬるい風が吹いている
絵夢子はその空を泳ぐようにふわふわと
暗い街の風景を見下ろしながら飛んでいた
遠くに緑の生い茂った広い草原が見えきた
どこまでも続いている草原 波打つように草は揺れている
そして明るい光さえ見えてきた あの草原を目指して飛んで行こう

その時、真っ黒な雲が急に押し寄せて、ザーッと大粒の雨が降ってきた。
絵夢子の体はずぶ濡れで重たくなり、急降下を始めた。
その勢いに締め付けられるかのように加速して落ちて行く
絵夢子の目に飛び込んできたのは、
グルグルと激しい渦が巻いているブラックホール
体がどんどん吸い込まれて行っている このまま飲み込まれてしまうのか!?
ああ、もうダメだ!と思った瞬間、夢から覚めたのである。
絵夢子は、ひどく寝汗をかいていた。



第2話に続く
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